それは自分が思っているほど大した話ではない
私が初めて病院を退職したときの話
私は医療職なら誰もが知っている全国的に有名な総合病院に新卒で入職した。
しかし当時、有休は取れないし、給料は少ないし、残業代はなかなかつけることができないし、人間関係も悪いといった劣悪な環境だった。
休憩なしで勤務したり、研修などで休日出勤しても残業もつかない代休もない、10連勤など普通にあった。
先輩たちは常にイライラしていて怖い。帰っていいよ。向いてないから辞めれば。はよく言われた。
理不尽なことや納得いかないことも上に合わせるしかなかった。自分のインシデントはレポートを書いたが。先輩のインシデントは存在しない。
他の病院を知らないしそれが普通だと思っていた。
病院で働くというのは楽じゃないんだと自分に言い聞かせて何度も頑張ろうと思った。
結果辞めた。
奨学金もあったし3年頑張ろうと思っていた。
しかし結果的には3年も続かなかった。
就職して半年ぐらいで久しぶりに大学の友達と会う機会があった。
その友達はすごく楽しそうに仕事の愚痴を話していた。
精神的にも身体的にもボロボロの私とは明らかに違う、愚痴でも楽しそうな話だった。
その友達の話を聞いて自分のいる環境が異常だと気づいた。
それが辞めることを決意するきっかけになる。
しかしここから辞めるまですごく時間がかかった、なかなか辞められない。
精神的にも追い詰められた状態でやめる方向に気持ちはあるが職場の環境や周りからどう思われるかを気にして行動ができなかった。
今思えば本当に大変であった。
私より先に辞めていった人達を何人か見たが、まっとうな理由のある退職でも師長や主任からぼろくそに言われ袋叩きに、独りぼっちにされて泣きながら退職する人もいた。
10年勤めた人が辞めていく時に「ありえない!非常識!」とブチギレていた師長を見て就職して半年の自分は退職したいなど到底恐ろしくて言えなかった。
結果的に私は意を決して辞めることになる。しかも次の就職先を見つける気力もない中で退職した。
退職の意向を伝えてから辞めるまでは本当にきつかった。思い出したくもない。
辞める最後の日に一部の優しい先輩に声をかけてもらったのがすごくうれしくて泣いたことを覚えている。
辞めた後はニートなのになぜか不安もなく辞めることができた安心感と開放感で一杯だった。田舎の実家に帰る新幹線で普段全然飲まないのにバカみたいにビールを飲んだのを覚えている。
そこからの実家でのニート期間は楽しすぎて神だった笑
正直、退職した後はなんであの時あんなに悩んでいたんだろうと思うくらいあっさりしてすがすがしい気持ちだった。
やめた後は意外と大したことなかったんだなと思う。
あとは何でそんなに自信がなかったのだろうかと。
医療系の資格は基本的に食うのには困らない。
特に医師や看護師、技士はどんな時代でも職を失うほうが難しいぐらい求人であふれている。
そんなプラチナチケットを持っているのに、会社員の人の転職に比べたら何倍も気が楽なはずなのに。こんなことで悩んでたら辞めたら職を失う可能性のある一般企業の会社員の方達に怒られる。
慎重に生きすぎている。もっとアグレッシブに生きてみよう。
その時からそのように思うようになった。
まあ資格を取るような生き方だから根本的に堅実で慎重な性格なのだろうが。
そんな思い出がある私の最初の退職だが、最近の退職は少し違うようだ。
時代に合った新しい手段
最近病院を変えたという大学の後輩と話をした。
彼もまた総合病院を辞めた一人だ。
今は給料も以前より上がって仕事の中身も楽になり夜勤残業がほどほどになって転職してよかったらしい。何より今は人間関係で悩まないのが最高なんだと。
しかし、その辞め方が私とはまるで違う。
退職代行を利用したというのだ。
しかも金曜の勤務終了後に退職代行業者に連絡をし、週明けの月曜日に退職したと言う。
はい?
非常に驚いたのでその話を詳しく聞いてみた。
ずっと辞めたい気持ちは秘めていて、踏ん切りがついていなかったのは私と同じ状態だった。
そこからネットでたまたま退職代行のサービスを見つけて連絡をしたらしい。
「最短で明日(土曜日)には退職できます。」と言われたのでちょっとまって月曜日にしたらしい。(それでも急すぎだろ笑)
月曜日の朝起きて少しドキドキしたらしいが出勤時間には二度寝してたらしい笑
職場から電話が来ていたが寝ていたので出ず。
同時に退職代行業者からもメールが着ていて退職完了。
ちなみにそのメールを見せてもらった。
(職場責任者及び人事責任者の~様に、○○様の退職の意向を連絡いたしました。離職票、年金手帳等の返却物は、後日郵送されますのでご確認ください。
なお病院の方には今後、○○様個人には連絡を取らないよう伝えました。
問題がございましたらご返信ください。)
以上
みたいな内容だった。
土日に私物をロッカーから持ち帰り、病院の借りているものや資料、引継ぎの物などは全部ロッカーにぶち込んできたからこの時点で退職完了らしい。
まじか簡単すぎるだろ
辞めるのに苦労した私からしたらズルいまである笑
当人もサクッと行き過ぎて実感がまったく湧かないらしい。
あの師長が本当に辞めさせてくれたのか信じられない、辞めないで欲しいとネチネチ粘られないのがいいね。らしいです。
使ったのは退職代行ガーディアンという会社らしい。
後輩「病院から返却物が送られてきたのと同時に退職届を返送してほしいと書類が送られてきたから全力で書いてポストに気持ちよくダンクシュートしました!」
いやうるせーよ笑
おすすめ退職代行業者
少し気になったので後輩の話とプラスで少し調べて以下情報をまとめた。
現在業者は弁護士事務所など含めかなり数がある。
どの業者も退職までの流れなどに大きな違いはないが付随するサービスに違いがある。
料金はだいたい2万~10万前後で退職までの流れは同じ(相談して料金支払いで退職実行)。出勤不要でほぼ即日退職可能らしい笑
自分から病院への連絡は一切不要で返却物など物のやり取りは基本郵送でOK。
退職代行業者への電話一本で完了。
病院からなにか言われたり訴えられたり問題になったりすることはないとの事。むしろ病院側はしてはいけないし、そのように要請するので病院からの電話は一度もないのが基本。
もちろんすべてが合法で、弁護士法律事務所系がやっているところもある。
いじめやパワハラ、未払い残業代請求、退職の際に損害賠償を請求されたなどの場合で裁判までするようであるなら法律事務所、弁護士直営の退職代行業者にした方がいいかもしれない。ただ弁護士なので料金は高くなるだろう。
弁護士事務所かそれ以外どっちを選ぶかは現在退職の際に大きなトラブル抱えていてプラス裁判になるかならないかで判断すればいいと思う。トラブルは抱えていてもほとんどは裁判までいくことはまずないと思うから気に入った業者を選べばいいと思う。
基本はどこの業者も弁護士直営ではなくても顧問弁護士の提携はしているところがほとんどでサービス内容は変わらないし。
弁護士のメリットは裁判の代理人になれるかどうかの違いだ。
弁護士事務所は受付時間が平日の9時から19時などと決まっているが、それ以外の業者は24時間LINEなどでも受付しているところもありレスポンスの速さも料金的にもメリットが大きい。
以下調べたものをいつくか挙げておく
女性の退職代行【わたしNEXT】
安い。女性に特化しているので女性は利用しやすいのだろう。前に転職お祝い金最大5万の特典があったが今はやっているのか分からない。要確認。
退職代行Jobs
顧問弁護士自身が最初の就職先を1年経たずに退職をした経験があるらしいので辞めたい人の気持ちに寄り添えるのが強み。退職届・業務引継書をプレゼントしている。
【弁護士法人みやび】の退職代行の問い合わせと交渉サービス
弁護士事務所が行うのでサービスに間違いがありえないことが強みらしい。
労災申請など、法律的に解決していくので複雑な案件も依頼できる。
退職代行アルマジロ
24時間対応で夜間の相談で最短翌朝の即日退職も可能との事。
【退職代行J-NEXT】
安い。退職届などの書類が入った退職スターターキットなるものが貰えるらしい。
追い詰められていると正常な思考ができていないので気を付けたほうがいい。
今辞められるとシフトが組めない。とか言われる。
いや普通に考えて、それは病院が人雇えよ。こっちの責任ではない。
もし自分が辞めて本当に職場が回らなくなる事があったとしても、それはあなたの責任ではない。絶対に代わりはいる、もしくは新しい人を採用、派遣、人事異動で穴は埋めたりするし、当たり前だが何かしらの術はいくらでもある。
まずあなたが心配することではない。
あなたが辞めても病院はしっかり機能するし、迷惑かけたなと思ってもそれはほんの一瞬の出来事。病院全体で見たらすごく小さいこと。
ありがたいことに数日後、少なくとも数か月後にはあなたの退職は話題にも上がらなくなって忘れ去られていく。
辞めていった人を何人か見ていると思うがその人のことって一か月もしないうちにもう話題に上らないでしょう。まあ想像はつくと思う。そんなもんだ。忙しい職場なら特にね。
楽な世の中になった。いやそもそもそんなものだったのか。
新時代のサービス、退職代行サービス。
よくもまあこんなこと思いついたものだ。



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